発達障害グレーゾーン+HSCだと思われる小4の長男が、最近家ですごくイライラしているのが気になっていました。
特に平日の学校から帰ってきて夕食までの時間がひどかったので、きっと「学校で何か疲れる理由があるんだろうな」とは思っていたんですが、それを本人がやっと話してくれたのです。
理由は私が思いもしない意外なものでした。
嫌いな授業が多い!?その理由は体がムズムズする?
長男は学校の話をよくしてくれます。
- 算数では今こういうことを習っている。
- 体育のマットで後転を習った。
- 理科でこんな実験をした。
- 今日の給食は何だった。
などなど、本当にいろんなことを話してくれるので(友達の名前は出てこないんですが)、学校でどんなことをしているのかはよくわかります。
それに、勉強はわりとよくできてテストでもほぼ100点を取ってくるので、学校の授業は好きなものが多いと思い込んでいました。
私がふと「明日の授業は何が楽しみかな?」と聞いたら、「楽しみなのはない」と答えるんです。
「そっか~。なんの授業が嫌なの?」と聞いてみると
- 国語
- 算数
- 社会
- 音楽
- 学活(内容による)
- 総合(内容による)
と答えるんですよね。
えっ?
国語も算数も社会もよく理解しているし、家でも積極的に自主学習をしています。
音楽に関しては小さい頃から耳がよくて絶対音感を持っているくらい。
合唱団にも入ってるし、ピアノ教室にも通ってるし、音楽は好きなんじゃないの?
とすごく驚いたんですが、嫌いな理由が「座っている時間が多いから」というもの。
あまりにも意外な答えに驚いてしまいました。
授業の内容が嫌とか楽しくないとかじゃなくて、じっと座っているのが苦手だったんです。
ずっと同じ姿勢で座っていると体がムズムズするというんですよね。
その「ムズムズ」という表現もしっくり来てない感じだったんですが、自分でもどう表現したらいいのかよくわからないんだと思います。
とにかくムズムズというか、痒いというか、手・足・お腹に不快感を感じているようなんです。
動いている時間は大丈夫なんですって。
だから体育や実験の多い理科の授業はいいんだけど、体育は運動が苦手だからあまり好きじゃないと。
同じ姿勢をがまんしているときは
- 首のあたりがビクンとなる
- 目がかすむ
- うなり声のような低い音が対内外から聞こえてくる
- 背後に何かの気配を感じる
こんな感覚があるといいます。
でも、具合が悪い感じではないそうです。
「そのわりには、授業の内容をよく理解してるよね!」と感心してたら
「だって耳に入ってくるから、それはわかる。」と言うんですよね~。
学校の教室以外で苦手なこと
その日は素直にいろんな気持ちを話してくれたので、これはチャンスだと思い根掘り葉掘り聞きました。
学校の教室以外では
- 体育館に入るときにクラクラする感じがする
- 体操座りをしたまま話を聞く集会ではずっとムズムズを我慢するのが大変
- 卒業式の練習や本番ではずっと動けないからかなり苦痛だった
こんなことを話してくれました。
学校で大丈夫なのは?
学校で大丈夫なときや場面について聞いてみました。
- テストの時(特にカラーテストを受ける時)
- 給食の時
- 動きが多い授業
意外だったのがテストの時。
テストの時って普通に考えたら、ほぼ動きませんよね。
でもテストの時は不快感がなくて集中できるらしいんです。
ますます不思議ですが、これが彼の特性なのです。
学校以外でダメなのは?
学校以外でダメな場所や場面を聞いてみました。
- 車などの乗り物に乗っているとき
- 合唱で振り付けのない曲をじっと立ったまま歌うとき
- ピアノを弾くときもたまに指が勝手に動き出す感じがある
- 夜寝る時
- エレベータの中
- お風呂場に入るとき
こういうときにも不快感を感じているとのことです。
いつ頃から?
いつ頃からこんな不快感を感じていたのか聞いてみても、本人は覚えていないそうです。
いちばん古い記憶が卒業式のときだから、今年の2~3月ということですね。
その前からあったのかどうかはわかりませんが、最近は特に敏感に感じているということは確かです。
不快感を感じたときどうしたらいい?
「ムズムズのときどうしたらいい?動けるなら動きたい?」と聞くと、長男は「わからない」と言います。
長男はくそ真面目なところがあって、学校ではかなりのおりこうさんなんです。
授業中にトイレにも行けないほどなので、勝手に動き回るなんて先生が許しても多分やらないんじゃないかな・・・
「でも、このことを先生に伝えて、何か良い方法がないか調べたり考えたりしてもらうことはできるよ!先生に相談してもいいかな?」と聞くと「いいよ」と言いました。
そして、今日、役員会で学校に行く用事があったのでさっそく先生に相談してきたところでした。
最初はカウンセリングを頼もうかと思ったんですが、その前に養護の先生や発達障害専門の先生に聞いてもらった方がいいかなと思ったので、今日はとりあえず担任の先生に相談するまでにしました。
担任の先生も全然知らなかったことなのでちょっと驚いてはいましたが、「だから最近なんだかソワソワしてたのかな。」とおっしゃっていたので、先生も何かしら感じてはいたようです。
「学年や他の詳しい先生にも相談して、本人からも話が聞ければ聞いてみます」と言ってくださいました。
さいごに
長男が学校で疲れたりストレスを感じたりする理由が、思いもよらないことだったので最初はすごく驚きました。
いろいろネットでも調べてみたら、こんな記事を見つけたんです。
https://hugkum.sho.jp/48512#i-3
コタツに入ると脚が消えたように感じるというASD(自閉スペクトラム症)の女性を何人か知っています。視界から消えたものは、自分の体であっても「ない」と感じてしまうのだとか。自分の体のイメージ(ボディーイメージ)をうまく掴かめないため、このように感じてしまうようです。ボディーイメージがないと、自分とモノとの距離感が掴かめずにモノにぶつかったり、階段から足を踏み外したりしてしまいます。
これ、長男にも心当たりあります!
やたらと体をいろんなところにぶつけるんです。
椅子に長時間座っていると、下半身がそわそわ、むずむずして落ち着かないというのも、やはりASDの人(子)に多いようです。脚が視界から消えるのと関係があるのかないのか、よく分かりません。でも、そわそわ、むずむずは重いものを載せると落ち着き、安心できるそうです。脚全体を覆うようなものだと、なお安心できると、当事者の女性に聞きました。
脚全体を覆う!長男が服を引っ張ってやってるあの恰好、まさにこれですね。
ちょっと重みのあるひざかけを使うことで、座っている間も落ち着いていられるようになる子もいるんですね~。
長男の話を聞いて、「だからは家に帰ってくると赤ちゃんのように落ち着きがなくなるのかな~」ってちょっと納得しました。
じっとしていると体に不快感を感じるから、どうしても一般的な感覚では「行儀が悪い」「姿勢が悪い」恰好や態度ばかりとってしまうんですね。
変なこだわりだと思っていたんですが、Tシャツの裾をこれでもか!っていうぐらい引っ張って伸ばして、それで膝をすっぽり覆って包み込むような感じで座るのが好きです。
きっとそれも不快感を和らげるための彼なりの方法なのではないかな、と思いました。
これまで親としてちゃんとしつけなきゃいけないと思ってたから、行儀や姿勢については口うるさく言うことが多かったです。
長男はずっと嫌がってましたし、なかなか聞き入れられませんでした。
家に帰ってきてまで我慢するのは相当な苦痛だったんだと思います。
「家の中でぐらい自由に、楽にさせてほしい。」そう思ってきたんだと思います。
ひとまず、こういうことに関しては注意したり叱ったりせずに、しばらく様子を見ながら何か良い方法がないかどうか、学校の先生とも協力して見つけていきたいと思います。
長男が話してくれて本当に良かったです。